IT・システム判例メモ

弁護士 伊藤雅浩が,システム開発,ソフトウェア,ネットなどのIT紛争に関する裁判例を紹介します。

2024-01-01から1年間の記事一覧

プログラムの著作物性と複製の黙示的承諾の有無 大阪地判令6.1.29(令元ワ10940)

相当程度の分量があるプログラムのソースコードには創作性があるとして、著作物性を認めたが、複製・改変することの承諾があったとして、著作権侵害を否定した事例。

検収がない場合における請負代金請求の可否 東京地判令4.6.22(平29ワ7335)

システム/製品の納入を目的とする請負契約において、検収をしていないから払わないとの主張が排斥された事例。

自治体システムへの不正アクセスとベンダの責任 前橋地判令5.2.17(令2ワ145)

ファイアウォール設定の誤りの脆弱性により不正アクセスが行われ、自治体のシステムから個人情報の漏えいした疑いがある件について、ベンダの重過失が認められた事例。

グーグルマップは個人情報データベース等か 東京地判令5.10.4(令4ワ26758)

グーグルマップ上の口コミデータが、「個人情報データベース等」に該当するかどうかが問題となった事例。

開発業務委託におけるソースコード引渡義務の有無 東京地判令4.3.15(令元ワ29058)

継続的なメンテナンスが予定されていたことから、注文書に明記されていなくても、実行ファイルのみならずソースコードの引渡義務もあったとし、ソースコードの最新版が提供されなければ債務不履行となるとされた事例。

棋譜データの利用と配信 大阪地判令6.1.16(令4ワ11394)

対局実況中継番組を配信する事業者が、Youtube等に投稿された棋譜中継動画の削除申請を行ったことの適否が問題となった事例。

情報番組における個人サイト記事の無断利用 知財高判令5.3.16(令4ネ10103号)

Eテレ番組の「将棋フォーカス」において、原告が運営するサイトの文章と類似するナレーション・字幕が使用されたことについて、著作者人格権侵害となるかが争われた事例。