IT・システム判例メモ

弁護士 伊藤雅浩が,システム開発,ソフトウェア,ネットなどのIT紛争に関する裁判例を紹介します。

2017-01-01から1年間の記事一覧

プロダクトキーの販売と商標権侵害 長野地判平29.8.10(平27ワ36)

マイクロソフト製品のプロダクトキーをインターネットを通じて販売した行為が商標権侵害に当たるかどうかが問われた事件。

ベネッセ事件最高裁 最判平29.10.23(平28受1892)

いわゆるベネッセ事件の損害賠償請求訴訟の最高裁判決。

ユーザの協力義務違反 札幌高判平29.8.31(平28ネ189)

システム開発頓挫の責任が,仕様凍結の合意後も大量の追加仕様を要求し続けたなど,ユーザにある一方で,ベンダは,リスクの説明をするなど,PM義務の履行をしていたとされた事例。旭川地判平28.3.29(http://d.hatena.ne.jp/redips+law/20161103/1478099168…

カスタマイズ範囲の画定と検収協力義務 東京高判平27.6.11(平26ネ6015)

パッケージベースの開発において,カスタマイズの範囲が争われるとともに,検収手続が完了していないながらもシステムの完成が認められた事例。

顧客情報の管理(ベネッセ事件刑事控訴審)東京高判平29.3.21(平28う974)

いわゆるベネッセ事件の刑事事件。原審(東京地立川支判平28.3.29)では,懲役3年6月が言い渡されたが,多くの認定の誤りが指摘され,量刑が軽くなった。

検索連動型広告と商標権侵害 大阪高判平29.4.20(平28ネ1737号)

モールの運営者が,検索連動型広告に表示されることについて商標権侵害の責任を負うか否かが争われた事例。

顧客情報の管理(ベネッセ事件刑事)東京地立川支判平28.3.29(平26わ872)

顧客情報の持ち出しと名簿屋への販売行為について,不正競争防止法違反に問われた事例(刑事事件)。なお,本件は,控訴され,控訴審(東京高判平29.3.21)では量刑が変更されている。

リツイート行為と著作権侵害/ログイン時の発信者情報開示 東京地判平28.9.15(平27ワ17928)

(1)リツイート行為が著作権侵害に該当するか,(2)著作権侵害行為時ではなく当該アカウントの最新のログイン時の発信者情報の開示を求められるかどうかが争われた事例。

情報漏えい行為による損害 東京地判平27.3.27(平25ワ13802)

元同僚の残業代請求訴訟の証拠として用いる目的で,社内の情報を漏えいしたことについての責任と損害。

ソフトウェアの不正改変による損害額の算定 東京地判平19.3.16(平17ワ23419)

ライセンス管理情報を改変し,すべてのモジュールを使用可能にした場合における損害額が争われた事例。

システムの開発対象と完成 東京地判平26.9.10(平22ワ46537他)

開発が完了したというためにはシステムが支障なく動作し,十分な性能を有するものである必要があるとしつつ,ドキュメント等が不十分でそれが認定できないとした事例。

システムの完成と追加作業報酬請求 大阪高判平27.1.28(平26ネ593他)

確定した仕様どおりに開発されているか否かをもってシステムの完成は判断されるとし,ユーザテストの不具合が再現しないことや,ユーザの挙げる不具合はいずれも軽微なものであることから完成を認め,さらにはベンダ代表者が謝罪したことや調停で譲歩した事…

なりすまし行為とアイデンティティ権 大阪地判平28.2.8(平27ワ10086)

他人のSNSアカウントになりすまして書き込みを行った行為について,権利侵害性が問題となった事案。

検索結果の削除 最決平29.1.31

過去の逮捕歴が,検索エンジンの検索結果に表示されることについて,人格権侵害を理由に削除請求権を有するとして,仮の地位を定める仮処分決定を求めた事案。

取扱説明書の説明文とイラストの著作権侵害 東京地判平28.7.27(平27ワ13258号)

取扱説明書の説明文とイラストの著作権侵害が争われた事例。

消費者契約法9条1号の平均的な損害 大阪高判平25.3.29判時2219-64

携帯電話の通信契約の解約金条項の有効性が問題となった事例(KDDI事件)。

請負・準委任の区別と追加報酬請求の可否 東京地判平28.4.20(平25ワ11770)

開発委託契約の性質(請負・準委任の区別)と,追加報酬請求の可否や範囲が問題となった事例。