IT・システム判例メモ

弁護士 伊藤雅浩が,システム開発,ソフトウェア,ネットなどのIT紛争に関する裁判例を紹介します。

労務

情報の秘密管理性・創作性、従業員引抜等が問題となった事例 東京地判令4.8.9(令3ワ9317)

退職従業員が作成した資料の秘密管理性(営業秘密)、創作性(著作物性)のほか、従業員の引抜行為、顧客の切替勧奨など仲違い事案において頻出する多くの論点が問題となった事例。

幹部による同業他社への引抜行為 東京地判令4.2.16(令元ワ17950)

大手コンサルティングファームの幹部が、競合に転職後、チームメンバーらに転職するよう勧誘した行為が、社会的相当性を逸脱するものであるかが争われた事例。(本件は、「IT・システム判例」ではないが、IT業界全般で起こりがちな話で注目を集める事案なの…

業務上作成したソースコードの保存等請求と特定 東京地判令元.12.26(平29ワ28231他)

会社が退職した従業員に対し,業務上作成したソースコードの保存してPCの引渡し等を求めるとともに複製等を禁止するよう求めたところ,その特定性が争われた事案。

情報漏えい行為による損害 東京地判平27.3.27(平25ワ13802)

元同僚の残業代請求訴訟の証拠として用いる目的で,社内の情報を漏えいしたことについての責任と損害。

経歴・能力の詐称を理由とする解雇と詐欺 東京地判平27.6.2労経速2257-3

経歴・能力の詐称を理由とする解雇の有効性と,詐欺の成否が争われた事例。

開発途中で退職したエンジニアの責任 東京地判平27.3.26(平26ワ12971)

ソーシャルゲームの開発中に退職した従業員らが,会社から開発頓挫の責任を追及された事例。

競業他社からの業務請負と懲戒解雇 東京地判平25.2.28(平23ワ25441号)

競業他社からの業務を請け負ったとして懲戒解雇された元従業員が退職金,割増賃金等の支払いを求めた事例。

退任取締役が負うべき秘密の範囲 東京地判平24.2.21(平21ワ38953号)

退任時に差し入れた誓約書の「秘密」の範囲等が問題となった事例。

使用者による一方的年俸の減額可否 東京高判平20.4.9(平18ネ5366号)

久しぶりの労働関係判例ということで,年俸制において合意のないまま年俸を減額したことの可否について(労働法百選【第8版】36事件)。

月180時間を超えた場合のみ割増賃金を支払う旨の合意 最判平24.3.8(平成21(受)1186)

基本給を月額で定めた上で月間総労働時間が一定の時間を超える場合に時間当たり一定額を別途支払うなどの約定のある雇用契約の下において,各月の上記一定の時間以内の労働時間中の時間外労働についても,使用者が基本給とは別に割増賃金の支払義務を負うと…

SEに対する裁量労働制の適用を否定した例 京都地判平23.10.31平21ワ2300号

SEとして勤務していた元従業員からの時間外割増賃金請求に対し,裁量労働制の適用を認めず,元従業員の請求を認めた事例。

退職従業員による同種ソフトウェアの開発 東京地判平18.12.13(東京地裁(ワ)12938号)

退職した従業員が個人で開発した行為が問題となった事案。

職務著作の成否 東京地判平22.12.22

会社Xに入社する前後にYによって作成されたプログラムの著作権の帰属が争われた事例。

従業員による競合会社の設立等 東京地判平21.1.19判時2049-135

従業員の負う競業避止義務と,派遣における経歴の詐称が争われた事件

システムコンサルタント事件 最判平12.10.13労判791-6

システム開発を舞台にした過労死事件。