IT・システム判例メモ

弁護士 伊藤雅浩が,システム開発,ソフトウェア,ネットなどのIT紛争に関する裁判例を紹介します。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

業務上作成したソースコードの保存等請求と特定 東京地判令元.12.26(平29ワ28231他)

会社が退職した従業員に対し,業務上作成したソースコードの保存してPCの引渡し等を求めるとともに複製等を禁止するよう求めたところ,その特定性が争われた事案。

サービス終了の通知と代替措置の案内 東京地判平26.6.10(平25レ385)

事業者が,利用者の同意を得ることなくサービスを終了したことが債務不履行となるかが争われた事例。

プログラムの改変目的と電子計算機損壊等業務妨害罪の成否 高松地丸亀支判令3.1.23(令元わ212号)

社内エンジニアが,社内システムのプログラムを書き換えて退職し,その後動作しなくなったという件について,電子計算機損壊等業務妨害罪(刑法234条の2)の成否が問題となった事例。

プログラムの著作物性(否定)東京地判令2.3.4(平29ワ19073)

ステップ数が多いこと,機能が特殊であること,命令後の選択,ライブラリの呼び出しやパラメータの設定等に工夫をしたことなどの主張がいずれもプログラムの創作性の認定に至らなかった事例。

プログラムの著作物性(肯定)大阪地判令3.1.21(平30ワ5948)

構造体の採用,高速化等の処理方法の具体的な工夫によってプログラムの創作性が認められた事例。