IT・システム判例メモ

弁護士 伊藤雅浩が,システム開発,ソフトウェア,ネットなどのIT紛争に関する裁判例を紹介します。

2025-01-01から1年間の記事一覧

プラットフォーマーの偽造品対応・調査義務 東京地判令7.4.25(令4ワ24415)

マーケットプレイス(アマゾン)の「相乗り出品」において、運営者が相乗り出品者の資格調査や、偽造品の削除をする義務を負うか否か等が争われた事例。

競馬情報に関するプログラム・データと営業秘密・著作権 知財高判令7.3.25令5ネ10057

競馬情報の提供に必要なプログラム、データ等が営業秘密であると認められたが、プログラムの著作物性が否定された事例

代理店による競業避止義務/機密保持義務違反 東京地判令6.10.10(令4ワ8300)

サービスの販売代理店が類似サービスを提供したことによる競業避止義務違反及び機密保持義務違反の有無が争われた事例。

故意によるファイル削除の責任と損害 徳島地判令7.1.16(令5ワ38)

退職するに際して、会社のサーバー内の多数の電子ファイルを削除した行為について不法行為が認められた事例。

AI開発契約の性質(請負か準委任か)東京地判令4.9.15(令2ワ10397)

動画中の音声からAIを使って字幕を生成するというシステムの開発契約が請負か準委任のいずれであるかが争われた事例。

フローチャート/画面の著作物性 大阪地判令7.2.17(令5ワ11871)

論文に記載された画像診断方法を図示したフローチャートや、それを実装したシステムの画面の著作物性が問題となった事例。

契約範囲外の作業の実施と検収予定日の位置づけ  東京地判令5.8.29(令2ワ874)

①当初の契約範囲外の作業をベンダが実施した場合、追加的に契約内容とすることを承諾し、②検収はユーザの指摘を受けてベンダが実施する作業が特定できないから「検収予定日」とは履行期ではなく完成の目安に過ぎないとした事例。

システム開発関連資料の営業秘密該当性 東京地判令5.1.27(令元ワ20604)

システム開発の検討資料等が営業秘密に該当するか否かが争われ、フォルダのアクセス制限の有無が重視された事例

アセンブラプログラムの著作物性 東京地判平26.11.26(平26ワ7280)

アセンブラプログラムについて、創作性の有無が争点となった事例。

4段階での分割納品/検収となっていた契約の解釈 東京地判令5.11.24(令4ワ11259)

1つの契約中で、4つの段階ごとに報酬が支払うこととなっていた契約について、請負/準委任の違いによって解釈が変わるものではないとされた事例。

請負か準委任か派遣か 東京地判令元.9.27(平28ワ26245)

既存のシステムに新たな機能を追加制作する業務を委託する契約が、請負/準委任/労働者派遣のいずれかであるかが争われた事例。

サービス運営を批判する投稿とアカウント停止 東京地判令5.3.24(令4ワ1263)

サービスの運営を妨害する投稿があったとしてアカウントを取消された行為の適法性が問題となった事例

プラットフォームから加盟店への支払留保条項と不当条項該当性 東京地判令4.9.13(令2ワ11949)

プラットフォームから加盟店への売上金支払留保条項が、民法548条の2第2項によって合意されなかったものとみなされるかどうかが争われた事例。

転売禁止・違約金条項と548条の2第2項 東京地判令5.8.24(令4ワ8280)

転売禁止条項に反して商品を転売したユーザに対し、違約金条項に基づく違約金を請求したところ、当該条項が民法548条の2第2項に該当し、合意内容にならないか否かが問題となった事例。

プログラムの著作物性・ExcelVBA(否定) 東京地判令6.12.23(令6ワ70189)

ExcelVBAで作成したアプリケーション(プログラム)の著作物性が否定された事例

棋譜データの利用と配信(控訴審)大阪高判令7.1.30令6ネ338

いわゆる評価値放送と呼ばれる将棋中継動画の配信者(X)が、囲碁将棋チャンネル(Y)を相手に、動画をYoutube等から削除申請されたことについて不競法に基づく差止等の請求を行った事件の控訴審判決。

実験報告書中の写真・図表の著作物性 東京地判令4.11.28(令2ワ29570)

実験結果の報告書に含まれる多数の写真、図、グラフ等の著作物性が争われた事例(一部肯定、一部否定)。