IT・システム判例メモ

弁護士 伊藤雅浩が,システム開発,ソフトウェア,ネットなどのIT紛争に関する裁判例を紹介します。

判例一覧

当ブログで掲載する判例のリストです。

【争点別】システム開発をめぐる紛争インデックス

システム開発紛争事例を,争点別にまとめました。非常に乱暴に要約しているので,詳細はリンク先または判決文をご確認ください。個別のエントリを追加したら随時インデックスも更新します。

(仕掛中)【争点・分野別】(システム紛争以外の)インデックス(仕掛中)

システム開発・運用関連裁判例以外の当ブログ収録裁判例について,論点・分野別のインデックスをまとめておきます(同一の裁判例が複数個所に記載されていることもあります)。非常に乱暴に要約しているので,詳細はリンク先または判決文の原文でご確認くだ…

Googleマイビジネスアカウントの不適切な運用による責任 東京地判令3.1.26(令2ワ2605)

Googleマイビジネスアカウントの運用を適切に行わなかったことによる責任が追及された事例。

インフルエンサーキャスティングPFの中抜き禁止合意違反と違約金 東京地判令2.11.6(平31ワ3350)

いわゆるインフルエンサー(フォロワー数の多いSNS利用者)と,企業とのマッチングを行うサービスにおいて,直接取引を行った行為が禁止行為に当たるとして,プラットフォーム運営者が企業に対し違約金を請求したところ,違約金条項の有効性が問題となった事…

懲戒請求者リストの訴訟上の提出と不法行為 横浜地判令2.12.11(令和2ワ2097)

弁護士に対する大量懲戒請求事案に関し,損害賠償請求をした弁護士が裁判所に懲戒請求者のリストを提出した行為について不法行為に当たるかが争われた事例。

ハッシュタグ使用と商標的使用 大阪地判令3.9.27(令2ワ8061)

他社のブランド名のハッシュタグを使用したメルカリの出品者に対して,商標権侵害を認めた事例。

契約の成立と契約締結上の過失(いずれも否定) 東京地判平30.1.31(平27ワ31116)

元請けから下請けに対し,請負契約の成立や契約締結上の過失を主張したがいずれも退けられた事例。

請負契約の成否と人件費相当の損害 東京地判平30.3.6(平28ワ37748)

システム未完成の責任を問われた開発者が契約の成立を否定するとともに,注文者の人件費相当額の損害について争われた事例。

1ライセンスでの使用可能な範囲の解釈と,違約金合意の有効性 東京地判令3.3.24(平30ワ38486)

ソフトウェアの1ライセンスで許諾される利用可能な範囲と,通常料金の10倍という高額な違約金を定める条項の有効性が問題となった事例。

事業者による「合理的」判断について(モバゲー規約控訴審)東京高判令2.11.5(令2ネ1093)

モバゲー会員規約の免責文言について,適格消費者団体が不当条項に当たると主張していた事件の控訴審判決。

野村vsIBM事件控訴審 東京高判令3.4.21(平31ネ1616)

東京地裁の判断が覆されてユーザである野村HDの請求が棄却されたことで話題になった控訴審判決。

業務上作成したソースコードの保存等請求と特定 東京地判令元.12.26(平29ワ28231他)

会社が退職した従業員に対し,業務上作成したソースコードの保存してPCの引渡し等を求めるとともに複製等を禁止するよう求めたところ,その特定性が争われた事案。

サービス終了の通知と代替措置の案内 東京地判平26.6.10(平25レ385)

事業者が,利用者の同意を得ることなくサービスを終了したことが債務不履行となるかが争われた事例。

プログラムの改変目的と電子計算機損壊等業務妨害罪の成否 高松地丸亀支判令3.1.23(令元わ212号)

社内エンジニアが,社内システムのプログラムを書き換えて退職し,その後動作しなくなったという件について,電子計算機損壊等業務妨害罪(刑法234条の2)の成否が問題となった事例。

プログラムの著作物性(否定)東京地判令2.3.4(平29ワ19073)

ステップ数が多いこと,機能が特殊であること,命令後の選択,ライブラリの呼び出しやパラメータの設定等に工夫をしたことなどの主張がいずれもプログラムの創作性の認定に至らなかった事例。

プログラムの著作物性(肯定)大阪地判令3.1.21(平30ワ5948)

構造体の採用,高速化等の処理方法の具体的な工夫によってプログラムの創作性が認められた事例。

ソフトウェア開発契約の法的性質 東京地判令2.12.22(令元ワ21149)

ソフトウェア開発契約に基づく開発行為が,要件定義を行わず,都度要望を反映させる方式で,月額固定報酬であったことから,準委任契約であって,ベンダからの解約申入れが認められた事例。

ウェブサイト構成要素の著作権侵害と権利譲渡の合意 知財高判令2.10.28(令元ネ10071)

ウェブサイトの制作者が,プログラム,データ,画像等の著作権に基づいて,差止請求等を行った事案。

脆弱性対応(Heartbleed)の責任の所在 東京地判令元.12.20(平29ワ6203)

クレジットカード情報漏えい事故に関し,その原因の一つと考えられる脆弱性対応が運用保守業務に含まれていたか否かが争われた事例。

アプリ本格導入に関する契約の成否 東京地判令2.2.27(平29ワ18724)

先行導入が行われ,本格導入に関するアプリケーション提供の契約の成否が問題となった事例(調印済みの契約書なし。担当者は本格導入に関する発言あり。)。 事案の概要 Xは,平成26年5月ころ,M社からエンジンの提供を受けて,本件アプリのプロトタイプを開…

瑕疵担保責任に基づく解除と損害賠償請求 東京高判令2.2.26(令元ネ2423)

本稼働させたシステムに性能上の障害があった場合において,瑕疵担保責任に基づく解除の可否と損害賠償の範囲が問題となった事例。 事案の概要 持ち帰り弁当店運営会社Yが,システム開発会社Xに対し,Web注文システムの開発を委託した。XY間の契約は,要件定…

請負人からの連絡が途絶えたことによる終了 東京地判令2.2.26(平31ワ774)

クラウドソーシングサービスを介して委託されたシステムの開発業務において,頻繁にやり取りが行われていたにもかかわらず突如連絡が途絶えたという場合,請負人は誠実に回答すべき義務があり,注文者が中止を求めたこともやむを得ないとして仕事の完成を否…

インスタグラム・ストーリー投稿のスクショ・転載 東京地判令2.9.24(令元ワ31972)

インスタグラム・ストーリーに投稿された動画のスクショが転載されたことについて肖像権侵害の成否が問題となった事例。 事案の概要 撮影者XAが被撮影者XBの動画(本件動画)を撮影し,XAが本件動画をインスタグラムのストーリーにアップした。何者かが本件…

共同事業における収益金分配にかかわる争い 東京地判平31.2.15(平29ワ10909)

ポータルサイトを共同で運営していた事業者間で分配金の支払いに争いが生じて契約が解除され,逸失利益等が請求された事例。 事案の概要 Xはプログラムの開発と運用を,Yは企画や顧客対応を担って,共同でポータルサイトを運営していた(本件事業)。本件事…

取締役退任後の引継義務履行としてのパスワード開示請求 大阪高判平31.3.27(平30ネ1767)

在職中に業務に関するインスタグラムのアカウントを担当していた取締役に対し,パスワードの開示等を求めた事案。 事案の概要 Yは,X社の代表取締役として,個人のgmailアドレスを用いてインスタグラムのアカウント(本件アカウント)を作成し,Xが販売して…

ウェブサイト制作委託契約における権利帰属と権利濫用 大阪地判令元.10.3(平30ワ5427)

ウェブサイトの制作委託契約において,開発の経緯等に照らして制作物の著作権が発注者に移転したこと及び,制作者による権利行使が権利濫用にあたると認められた事例 事案の概要 やや複雑な経緯を辿っているので簡略化して紹介する。Yは,Xに対し,ウェブ…

データベースからのデータ抽出と不法行為 東京地判令元.12.19(平30ワ20123)

有償で提供しているDB中のデータが,提供先のサイトから無断で複製されていたという行為について不法行為に該当するか否かが問題となった事例。 事案の概要 ヤフーは,健康と医療に関する総合情報サービス(aサイト)を無料で公開していた。aサイトでは,…

ユーザ都合による解約の場合の報酬・損害賠償請求の範囲 東京高判令元.12.19(平30ネ1254)

ユーザの都合によりプロジェクトを中止したというケースにおいて,ベンダが行った報酬・損害賠償の範囲が問題となった事例。特に,中途解約時における損害賠償請求について定めた条項と,民法641条の関係が問題となった。 事案の概要 紛争に至る経緯 平成23…

リツイート行為と著作者人格権最判令2.7.21(平30受1412)

話題となっていたリツイート行為と著作権・著作者人格権侵害に関する事案の最高裁判決。